ちょっと行ってみたい駅

26年のGW、皆さん如何お過ごしでしたでしょうか?
私は5/3(土)~4(日)に「飯田線の旅にチャレンジ」してきました。
2日共好天に恵まれ、楽しく各駅を回ってきました。

さて飯田線の旅に「チャレンジ」と書きましたが、JRに乗るのにそんな「チャレンジ」が必要なのか?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、飯田線に乗るにはそれなりの準備と気合が必要です。
というのも、飯田線は豊橋駅(愛知県)から辰野駅(長野県)までを結ぶ194.6Kmの長距離路線です。この間に90以上の駅があり、各駅停車では6時間以上かかるのです。(ちなみに特急「ワイドビュー伊那路」が豊橋~飯田間を1日2往復しています。)
また途中下車しますと次の電車まで2時間から3時間は待ちますので、途中下車する時は良く考えて降りないと大変です。

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豊橋駅~小和田駅

朝8:10豊橋発の電車に乗りました。最初の目的地は鉄道ファンなら一生に一度は降りてみたい秘境駅「小和田(こわだ)」です。豊橋から3時間余、電車は天竜川に沿って走っていきます。この間、中部天竜駅で27分間の待ち合わせがありました。(単線なので所々で上下線の待ち合わせがあります。)
車掌さんが「次は中部天竜。上り線と27分間の待ち合わせをいたします。」と放送すると車内では一斉に「え、27分?」という声があがりました。
と言っているうちに、電車は中部天竜駅に着きました。殆どの乗客は席を立って途中下車。改札を出ても特に観る所はありませんが、駅から3分ほどで天竜川に出ます。天気も良く川は静かに流れていて、の~んびりした風景です。

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途中で面白い看板がありました。今時「押売り」っているのでしょうか?
どうせ立てるなら「振り込め詐欺に注意」とかのほうが今風かと思いますが。

さて中部天竜での上下線の待ち合わせも無事終わり、電車は出発。30分余りで最初の目的駅「小和田」に着きました。
この駅は全国秘境駅人気ナンバー3(本州のJRではナンバー1)の駅なのです。
ところで「秘境駅」とは何か?
一般的な定義としては

1. 駅から最寄りの集落までの間に相当な距離がある。
2. 昔は集落が(駅の近くに)あったが消滅している。
3. 駅に一切車道が通じていない。(鉄道以外にその駅に行く手段が無い。)
というようなこととなっています。

小和田駅は3拍子そろった間違いなく秘境駅なのです。
駅の傍に朽ち果てた建物がありますが今は誰もいません。
最寄りの集落までは歩いて1時間ほどかかるようです。
そして車が走れるような道路は付近に全くありません。

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ちなみに小和田駅は愛知県、静岡県、長野県のちょうど県境にある駅です。

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田本駅

さて2時間経って次の電車がやってきました。定刻に電車が来るとホッとします。
もしアクシデントで電車が来なくても、無人駅ですから何で電車が来ないのか分からないですからね。
13:19小和田駅発の電車に乗って約30分、次の目的駅は「田本(たもと)」です。
この駅は写真を見ていただければ、間違いなく秘境駅ということが分かります。
断崖絶壁の所に1mちょっとの幅の狭いホーム。
この駅で途中下車したら次の電車までは3時間待ちです。
途中下車したのは若い方お一人でした。
私は写真を写して直ぐに元の電車に乗りました。

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天竜峡駅~飯田駅

次の途中下車は天竜峡駅。ここは秘境駅ではありません。観光地のど真ん中、駅は天龍峡温泉の入口にあります。天竜ライン川下りの乗り場は駅の直ぐ下です。
(良く分からないのですが駅の名前は天竜峡駅、川は天竜川、温泉は天龍峡温泉。「竜」を使っていたり「龍」を使っていたり?どっちなのでしょう。)

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さて、2時間の待ち合わせで次の電車が来ました。 ここから30分で今日の宿泊地、飯田市の玄関、飯田駅です。 飯田市は信州で一番南に位置する市で長野県では人口4位です。 駅舎は赤い屋根がメルヘンチックで綺麗です。

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飯田市内・夜の部

明るい内はちょっとローカルな市内ですが、夜になると結構賑やかでした。
料理屋・居酒屋が多いのには驚きます。チェーン店もありますが地元の個性溢れるお店が色々あって楽しいです。

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飯田駅~辰野駅~岡谷駅

秘境駅は1日目で終わりです。
帰りは飯田から辰野・岡谷経由~中央本線で帰ります。

2日目、最初の途中下車は元善光寺(もとぜんこうじ)駅です。
駅から少し歩いたところに「元善光寺(坐光寺・ざこうじ)」があります。
「善光寺」と言えば長野市の善光寺が有名ですが、この善光寺の本尊・一光三尊阿弥陀如来は、元は飯田市の坐光寺にあって長野市に遷座されたことから、今は元善光寺と呼ばれています。

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リニア新幹線の長野県内の駅はここから1Km程の所に設置されるようです。リニアはこんな長閑なところを走るんですね。

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次の途中下車が今回の旅の最後の目的駅「七久保(ななくぼ)」です。
この駅は中央アルプス(木曽山脈)がバックに望める駅として知られています。
天気も良くて実に絶景!

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さて昨日からの飯田線の旅も終点が近づいてきました。
日頃、仕事では新幹線や特急に乗ることが多いですが、時間に余裕のある時には、各駅停車で車窓を眺めながらの旅も楽しいです。
次はどこの駅に行きましょうか。

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<藤田 徹>