ラッフルズホテルの
ホスピタリティ

今回はホスピタリティについて考えてみたいと思います。 ホスピタリティはラテン語のHospics(客人等の保護)~英語のHospital(病院)~と発展してきた言葉のようです。 和訳すれば「おもてなし」ということでしょうか。

今年(28年)7月に開催しました当社の第20回 企業セミナーでも「おもてなし」をテーマとさせていただきました(チームワークで築くおもてなし)。 ANAの搭乗員の皆さんが、チームワークをもって快適なフライトとなるように努力しておられるお話は、とても参考になりました。

東洋の真珠「ラッフルズホテル」に宿泊

歴史と格式で他の外資系超高級ホテルを圧倒

さて、話は変わりますが今年の夏休み、皆さん如何お過ごしでしたでしょうか?。
私は8月にシンガポールに行く機会がありました。今回は2回目の訪問でしたので、(前回は泊まらなかった)ラッフルズホテルに宿泊をしました。
ラッフルズホテルは『東洋の真珠』と称されるシンガポールの誇る世界でも有名なホテルです。
まずその建物が立派。地上57階建のマリーナベイ・ サンズ他、超高層の建物が乱立するシンガポール市内の中心地にある地上3階建のラッフルズホテルは、歴史と格式で他の外資系超高級ホテルを圧倒しています。
1887年イギリスの植民地時代に開業、1899年に今のコロニアル様式の建物が完成し、今日まで原型を保っています。

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従業員一人ひとりのホスピタリティ

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ホテルに到着すると植民地時代のイギリス軍の軍服をもとにデザインされた真っ白な制服に身を包んだドアマンが迎えてくれます。
ロビーに入るとそこは別世界、ゆったりした時間が流れています。
シンガポールの重要文化財にも指定されている白亜の建物は本当に立派です。
しかし、もっと素晴らしいのは従業員一人ひとりのホスピタリティでした。

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フロントの皆さん、レストランの皆さん、清掃に携わる皆さん、バトラーと呼ばれる部屋係(執事)どの方も素晴らしい笑顔で迎えてくれます。

サービス業に笑顔は必須ですが、訓練された笑顔とはちょっと(だいぶ)違う、心のこもった笑顔を毎日見ることができました。

「ホテル」を超えた「おもてなし」

2~3日泊まっただけでアットホーム感が

日本のホテル、レストラン、居酒屋さんは概ね丁寧。
挨拶も行き届いていると思います。(レベルに差はありますが。)
でも、ファミレスやテーマパークの挨拶はちょっとマニュアルぽい感じがします。

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このホテルは建物内を歩いていると色々な従業員の方と顔を会わせます。これは、客室数・宿泊客数に比べて相対的に従業員数が多いのだと思います。
日本のホテルでは従業員の方と顔を会わせるのはフロント付近だけではないでしょうか?
ほぼ毎日同じ従業員の方と顔を会わせますので、数日間宿泊すると顔なじみっぽい感じがしてきます。
ほんの2~3日泊まっただけで「自分の家(言い過ぎですが)」のようなアットホーム感が出てきます。
世界にはもっともっと豪華なホテルもあると思いますが、このホテルの接客は言葉で表現できない暖かさ、自然な笑顔を見たような気がします。

心がこもったおもてなしの気持ち

多分それは「ホテル」を超えて、親しい友人の家に遊びに行っているような、親しい親戚の大きな家に泊まりにいっているような、心がこもったおもてなしの気持ちが伝わってくるからではないでしょうか?

東京オリンピック・パラリンピックに向けて着々と「おもてなし」の準備は進んでいるようですが、こうしたら喜んでもらえるんじゃないか、こうしたら便利になるんじゃないか、という気持ちを一つ超えたところに本当のおもてなしがあるのではないでしょうか?
ラッフルズホテルに泊まってそんな気持ちを持ちました。

最後に

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ラッフルズホテル内のロングバーが発祥のカクテル「シンガポール・スリング」。
宿泊しなくてもロングバーは入れますので、是非1杯注文してみてください。
このカクテルは他のバーでも(日本のバーでも)飲めますが、やはり違います。
どこが違うかは微妙で説明できません。「本物」を飲みに行かれることをお勧めします。

<藤田 徹>