2018年の春は初夏のような良いお天気が続き、未だ乗ったことが無い鉄道と降りたことのない駅が「一度お越しください」と誘っているような気がします。
そんな声に誘われて身延線(みのぶせん)に乗ってきました。
身延線は静岡県富士市(富士駅)と山梨県甲府市(甲府駅)を結ぶJR東海の路線です。
今回は富士駅を出発して時計回りに富士山の西側を回ってきました。
1909年(明治42年)開業の歴史のある駅です。身延線はここが始発です。
富士と言えば製紙工場、駅の北側、目の前には王子製紙の工場があります。
ちなみに東海道線の富士駅の北側約2Kmのところに東海道新幹線「新富士駅」があります。乗換をするには20分程歩くかバス(約7分)に乗る必要があります。
富士駅を出発して18分。富士宮駅に着きました。この駅は元々は富士身延鉄道(身延線の前身)の駅として開業し、その後に国鉄~JR東海の駅となりました。
富士宮と言えば浅間大社。ここは全国にある浅間神社の総本社です。
富士宮にあるのが本社、富士山頂上にあるのが奥宮ということになっています。
そして富士宮で有名なのが「富士宮やきそば」です。
B-1グランプリにて殿堂入りも果たしています。
見た目は普通の焼きそばですが、コシのある麺の食感とその味付けは絶妙に美味しいです。
市内には、沢山のやきそば屋さんがあります。時間があればやきそば屋さん巡りも楽しいかもしれません。
身延線のほぼ中間にある身延駅。近くには身延山~日蓮宗の総本山である久遠寺(くおんじ)があります。 駅からバスで約15分~久遠寺の三門までは歩いて10分程です。
三門を通ると菩提梯(ぼだいてい)と呼ばれる287段の石段が見えてきます。
見上げた先には青空が。。。
登るのも大変ですが「下りが怖い」と(降りてきた方が)言ってました。
上まで行くと帰りのバスに乗れなくなってしまうので、石段の下から空を見上げて帰ってきました。
下部温泉(しもべおんせん)の入口にある駅です。駅から直ぐのところにホテル・旅館がありますが、中には閉まっている宿も。
かつては一日の平均乗降客が700人近くいたようですが、今では平均100人程度みたいです。
しかし温泉はなかなか良い感じでした。ちょっとひなびた温泉ですがお勧めします。
今回の旅の最後は善光寺駅です。
善光寺といえば長野の(信州)善光寺が有名ですが、ここ山梨県の善光寺は「甲斐善光寺」と呼ばれています。
武田信玄が川中島の合戦が長引くことにより戦火が信州善光寺に及ぶのを恐れて、ご本尊をはじめ鐘楼や仏具、僧侶までを甲斐の善光寺に移したと言われています。
その後1598年に本尊像は信州に戻されました。
甲斐善光寺のご本尊は、かつての信州善光寺の前立本尊であり、銅造阿弥陀如来像(重要文化財)となっています。
金堂中陣天井には、江戸の希斎という画家によって、巨大な龍が二匹描かれています。この部分のみ吊り天井となっており、手をたたくと多重反響現象による共鳴(鳴き龍)が起こります。
また甲斐善光寺も信州善光寺と同じく「戒壇廻り(かいだんめぐり)」をすることが出来ます。戒壇廻りとは、金堂下にある「心」の字をかたどる真っ暗な通路を通って鍵を探し、触れることで御本尊と縁が結ばれ極楽浄土に行けるというものです。
本当に真っ暗でした。(少し怖いかも)
身延線88.4Kmの旅も終点の甲府に着きました。
甲府と言えばやはりランチは「ほうとう」でしょうか。
「農林漁村の郷土料理百選」(農林水産庁)の一つにも選ばれています。
平打ちうどんとかぼちゃに加え、ねぎやしいたけ、じゃがいもなどを味噌ベースの汁で煮込んでいます。
戦国時代、甲州地方ではお米が貴重であり、武田信玄がそれに代わる陣中食として考案したなど、発祥には諸説があります。
お天気の良い週末に、富士山を見ながら各駅停車に乗ってB級グルメを食べながら途中下車して温泉めぐり。 土曜日の午前中出発すれば楽に回ってこられます。駆け足なら日帰りも可能な身延線。是非一度行かれてみてはいかがでしょうか。
<藤田 徹>