お立ち寄りいただきありがとうございます。
今回は私の前職(アパレル業)での経験を活かし、スーツのお手入れ方法について重要なポイントを3つに絞ってお話させて頂きます。
まず重要となるのがスーツを掛ける際に使用するハンガー選びです。着用している時間よりもハンガーにかけている時間のほうが長い為、非常に重要なポイントです。
上着のハンガーは肉厚のもので緩やかに前方にカーブしているものを選びましょう。ワイヤーハンガーなど厚みがないものだと型崩れの原因となってしまい、肩パットが変形してしまう可能性があります。さらに前方にカーブしていることにより、ジャケットのラインに合わせたハンガーとなっております。もちろん女性の方はレディス用のハンガーを使用してください。
次にパンツ用のハンガーですが、上着用のハンガーに二つ折りにして掛けられるようにもなっていますが、折りジワがついてしまう可能性があるので、専用の吊るすタイプのものを使ってください。その際、裾を上にし、ウエスト部分が下に来るようにしましょう。ウエストの重さにより、吊るしているだけでシワを伸ばす効果が期待できます。
ハンガーに掛けたら次はブラッシングです。必ず上から下に掛けるのが基本です。見た目には分かりませんが、一日着用しただけでも埃や汚れがついていますので、ハンガーに掛けたらブラッシングの習慣を身につけましょう。ブラシが化学繊維でできている安価なものだと、静電気で逆に埃が集まってしまう可能性があるため、できれば豚毛のような天然のものを使用しましょう。
また、ブラッシングを行うことにより毛玉の防止にも効果があります。気づかない内にジャケットの脇の部分に毛玉が出来ているなんてことはございませんか。そんなことがないように忘れがちな脇までしっかりブラッシングしましょう。
一日着用した後には必ずシワがついています。特に膝の裏などは必ずなりますよね。その場合には軽く霧吹きをして適度な水分を与え、一晩自然乾燥させればシワは伸びます。
それでもとれない場合はアイロン掛けを行いましょう。ただ、アイロンの温度が高すぎると生地のテカリの原因となりますので、きちんと取り扱い表示を確認し、適切な温度で掛けるようにしてください。 また必ず当て布を使用することも忘れずに。
それ以外にも着用したら2~3日は休ませる、過度にクリーニングに出さない(シーズン終わりに1回程度で十分です)など、基本的なこともしっかり守れば大事なスーツを長く着用できるはずです。
夏場はクールビズで上着の着用頻度は少ないですが、その分汗をかく時期ですのでお手入れをしっかり行いましょう。身嗜みに気をつけ暑い夏場を乗り切りましょう。
<鈴木 大輔>